作品no.9 G4Cube用CPU拡張ヒートシンク&ヒートプレート

作品no.9 G4Cube用CPU拡張ヒートシンク&ヒートプレート

 windows搭載のパソコンが圧倒的なユーザーを占める中、Machintosh(通称mac)はその超越したデザイン性と機能性で根強い人気を誇っています。歴代のmacの中でも販売終了から時が流れているにも関わらず、人気なのでがPower Mac G4 Cubeです。諸般の事情により販売期間が短かったもののデザイン性と機能性は今までのコンピュータの概念を払拭して、windows搭載機のCube型筐体にも強く影響を与えました。
このCubeは現在でも現役に十分使用が出来、ユーザーの方はCPUやグラフィックボードの交換などを行われております。今回はこのCubeユーザーの方からご依頼頂いたCPU拡張ヒートシンクと同ヒートプレートのご紹介を致します。

 ご依頼は、cube用の拡張ヒートプレート(CPUを交換するために必要)とcubeに付属のヒートシンクを拡張するためのヒートシンク(fig.2)でした。

 まずは拡張ヒートプレートについて(fig.1の下のもの)。これまでにもcube用のヒートプレートは何バージョンか製作をさせて頂いておりますが、その中でも最も大変な仕事でした。一番のポイントは20カ所の幅2mm、長さ83mm、高さ16mmの貫通溝の掘り込みでした。切削加工では使用工具が小さく、工具長が長くなると難しくなります(fig.2)。この加工だけでも7時間程度かかりました。(切削時間は、加工機の性能によります。)
また、板厚の精度を出すために、治具を製作して全体を仕上げました。
使用の際はfig.3の様にお客様自身が折り曲げされております。(それぞれの溝に2mmの板を挟んでの折り曲げはプロ顔負けです。)

 次にヒートシンク(fig.4)、横から見ると凸状になっており、これも専用の治具を使用して製作しました。このヒートシンクはcube付属のヒートシンクの間に貼付けて使用するそうです。

 拡張ヒートプレートとヒートシンクは一番上の図のような形で構成されています。これにより、無事、G4 giga dual 1.4GHzが完成されたそうです。

 お客様のご好意により今回の図面のPDFファイル及びApple Worksファイルの開示の許可を頂きました。ご参考にして頂けますと幸いです。

ヒートシンク図面のPDFファイル(21.5KB)Apple Worksファイル(27.5KB)
ヒートプレート図面のPDFファイル(80.2KB)Apple Worksファイル(83.9KB)

fig.1CPUヒートプレートとヒートシンクの様子

 fig.1 CPUヒートプレートとヒートシンクの様子

fig.2ヒートプレートの溝部分の様子

 fig.2 ヒートプレートの溝部分の様子

fig.3fig.1のCPUヒートプレートを曲げた様子

 fig.3 fig.1のCPUヒートプレートを曲げた様子

fig.4ヒートシンクを拡張するためのヒートシンク

 fig.4 ヒートシンクを拡張するためのヒートシンク