材料選びのポイント

  実用に即したアルミの材料の種類、特性などを解説しています。

アルミの種類

純アルミ(1000番系)

 純度99.9%以上。電気と熱の伝導率が優れています。箔、コンデンサー、反射板、容器などに用いられています。

Al-Cu合金(2000番系)

  Cuの添加で、熱処理により強度や硬度が高くなります。 2017(ジュラルミン)、さらに強度の増した2024(超ジュラルミン)などは鋼に匹敵する強度があります。しかしCu成分のせいで耐食性は劣ります。

Al-Mn合金(3000番系)

 純アルミと同等の加工しやすさと耐食性があります。加工のしやすさから、建材用材、車両用材、各種容器、キャップ、電球口金などに使用されています。

Al-Si合金(4000番系)

 ケイ素の含有量が多いと熱膨張率が小さく、耐摩耗性に優れるため、CuおよびMgを加えて強度を増してエンジンのピストンやVTR用ヘッド等に用いられています。

Al-Mg合金(5000番系)

 アルミ合金の中で最も耐食性の高い合金。加工性も良いです。

Al-Mg-Si合金(6000番系)

 中程度の強度と高い耐食性を有し、6063は建築用サッシや内外装に用いられています。

Al-Zn-Mg合金(7000番系)

 アルミニウム合金中最も強度がある7075は、超超ジュラルミンとよばれ、日本で開発された合金です。

お取り扱いしているアルミ材

A5052板

 機械加工では、最もスタンダードなアルミ材。中程度の強度を持っており、耐食性、加工性が良い。板厚をそのまま使用する場合は、アルハイス、ハイプレートといった板厚精度保証の材料もあります。強度をそれほど必要としてなければオールラウンドで使えます。

A2017板

 Cu成分を含むため耐食性が悪いが、強度は高いです。ロボットやラジコンパーツに最適です。熱処理されているため板厚そのまま使用する際はにそりに注意が必要です。アルマイト処理がしにくいです。別名ジュラルミン。

A6063棒、アングル

 代表的な押出用合金。経済性に優れているが、定尺は4mです。棒材の他にアングル、角パイプなどもあります。

A7075板

 アルミニウム合金の中でも最高強度を有する合金の一つですが、耐食性が悪く、また、コストも高いです。ロボット、ラジコンパーツに最適です。A2017 と同様熱処理されたもので、板厚そのまま使用する際にはそりに注意が必要です。板厚寸法にもばらつきがあるため、6F加工が必要な場合があります。

A6061板

 熱処理系の合金でも耐食性があり、強度も高いです。コストが高いです。治具などでよく使用されています。

その他入手可能なアルミ板

 A2024、A5058などの板材。

アルミ板材の比較表

 アルミプラスでお取り扱いしているアルミ板材の比較表です。耐食性、表面処理性、経済性を比較しています。(A、B、C、Dでランク付け、Aが高いまたは良い)

お取り扱いしている主要アルミ板材の比較表
アルミ板材名 耐食性 表面処理性 経済性 アルミプラス使用頻度
A2017 D C B B
A5052 A A A A
A6061 B B C C
A6063 A A A A
A7075 C C C D